こんにちは。
かいです。
今回は株式投資家なら絶対知らなければならない「金融商品取引法」について解説します。
※この記事は約8分で読み終わります。
【この記事を読んでわかること】
✅金融商品取引法について
✅株式投資家がやってはいけないこと(違法行為)について
✅違反した場合の罰則について
金融商品取引法について
金融商品取引法とは
金融商品取引法とは、証券市場における有価証券の発行、売買その他の取引について定めた日本の法律。所管官庁は、金融庁である。
※Wikipediaより引用
金融商品取引法(以後、「金商法」と略す。)が制定された背景は、
『金融・資本市場をとりまく環境の変化に対応し、利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上、「貯蓄から投資」に向けての市場機能の確保及び金融・資本市場の国際化への対応を図ることを目指』すためです。
※『』内は金融庁HPより引用
金商法違反となる行為
金商法は上記説明の通り、「利用者保護ルールの徹底」を目指しているため、他の投資家を騙したり・出し抜く行為は禁じられています。
具体例は以下の通りです。
インサイダー取引
「インサイダー取引とは、上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、自社株等を売買することで、自己の利益を図ろうとするもの」です。
※日本取引所グループHPより引用
簡単に言うと、「上場会社の内部者は非公開情報を使って儲けるな!」ということです。

たしかに非公開情報を使って稼ぐのは、フェアじゃないですよね😅
見せ玉(みせぎょく)
見せ玉とは、「約定させる意思のない注文を発注することで第三者の注文を誘発して相場を動かし、自分に有利な値段で売買を行う行為」のことです。
※日本証券所グループHPより引用
簡単に言うと、見せ玉は大量の発注・取消などを繰り返すことで、あたかもその銘柄が頻繁に取引されていると見せかけ、他の人をそそのかして取引させる行為ということになります。
仮想売買、馴れ合い取引
仮想売買とは、「自らの売注文と買注文を同時に発注し約定させる、権利の移転を目的としない取引」のことです。
馴れ合い取引とは、「売主と買主が連携したうえで行う上記と同様の取引」のことです。
※いずれも日本証券所グループHPより引用
仮想売買を簡単に言うと、自分が複数の証券口座を使い、取引が頻繁に行われていると他の人に錯覚させて、他の人を誘い出す行為です。
【仮想売買の例】
自分が保有するA証券口座でX銘柄を100株2500円の指値で売り注文を出し、同じタイミングで B証券口座で100株2500円の指値で買い注文出して約定させる。
【馴れ合い取引の例】
知り合い同士で「A銘柄を100株2500円の指値で売り注文出すから、100株2500円の指値で買い注文出して」と口裏合わせをして約定させる。
風説の流布
風説の流布とは、有価証券の価格を変動させる目的で、虚偽の情報を流すことです。
※Wikipediaより引用
簡単に言うと、ありもしない噂を公開して特定の銘柄の株価を上昇させたり下落させたりする行為です。
【風説の流布の例】
「あの会社そろそろ潰れるらしいよ」とネットに流し、株価下落を促す。
違法行為の罰則
上記で紹介した違法行為を行なった場合、下記の罰則が科されます。
※刑事罰とは犯罪を行なったものに対して、一定の処分を科すことです。
刑事罰は前科として残ります。
金商法違反の場合、一番重い罪で「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または併科」となっています。

※併科とは両方セットという意味です。
課徴金とは「行政庁が法律に違反した人などに対して課す金銭的不利益のこと」です。
※弁護士南谷英幸のウェルカム法務より引用
課徴金と罰金はどう違う? 課徴金と刑罰の併科と「二重処罰の禁止」について
課徴金が制定された背景は、罰金を見越して悪事を働く人たちの逃げ得をさせないためです。
例えば株価操縦(馴れ合い取引)で1億円儲けた場合、罰金1000万円取られても9000万円得をします。
もし課徴金がなければ刑務所に入る前提で株価操縦を行うかもしれません。
しかし罰金に加えて課徴金まで取られるとなれば、「悪いことをして儲けても意味ないな!」と思わせることができ、結果として不正行為を防げます。
課徴金の算定方法
「重要事実公表後2週間の最高値×買付等数量」-「重要事実公表前に買付け等した株券等の価格×買付等数量」
独禁法・金商法・公認会計士法の課徴金及び刑事罰の比較(参考資料)
また課徴金には加算・減算制度があります。
「悪いことを繰り返す人には厳しく、自首した場合には罪を軽くする」
当たり前の感覚ですね。
まとめ
金融商品取引法では利用者保護の原則からインサイダー取引などをはじめとした様々な不正行為が禁じられています。
そしてそれらの不正行為を行なったときの罰則は非常に重いです。
絶対に行わないでください‼️
最後になりますが、
「金商法の内容について知らなかった!」では済まされないので、必ず把握しておきましょう‼️
【補足】
今回紹介した罰則はあくまで個人投資家向けです。
法人が行なった場合はさらに重い罰金刑が科されます。